相続とは?  
 いまさら「相続とは」と云々するまでもなく、世間の常識として身内が亡くなればその家族が財産を引き継ぐというのは世間の常識と考えてよいでしょう。

その行為を法律的な言い回しにすると「相続」ということになりますが、「相続」という法律的な行為をするには一定の手続きや決まりごとがついてまわります。

 例えば、皆さんご存知のように、相続する財産が大きいときには税金が課せられるという決まりごとも相続のルールですし、配偶者、子、親、兄弟などの関係によって一定の優先順位や相続できる割合の基準が定められているのもよくご存知のルールだと思います。

 被相続人の財産を相続人が引き継ぐというごく当たり前の行為をするにしても、我が国では一定のルールに従う必用があり、そこに重大な不備があればその当然の権利を主張できなくなるという悲劇も現実にありますから、不安がある場合は専門家のアドバイスや公的な窓口等を利用して確実な手続きを踏むことが大切です。

 大切なご家族の死という現実に直面して混乱しているなかで、「相続」というきわめてドライな手続きにすぐに気持ちが切り替わらないという方もいらっしゃいますが、そういう人の為に専門家がいるのだとお考え下さい。
 「相続」の手続きを通してあらためて故人の生き方や残された家族への思いが伝わることもあります。故人がせっかく家族のために残してきた財産が、家族の持ち物にならないような悲劇がおこらぬよう、相続の手続きは確実に行ってくださいますようお願いします。

相続分早見表
● もっとも典型的な原則
 配偶者は常に相続人」

  遺言書やその他特段の事情がない時は、家族関係による相続の順位と割合で、
配偶者は常に相続の権利があります。
続 柄 それぞれの組み合わせで、
升目が
ピンク色の人が相続のできる人です。
遺族の有無 配偶者 なし なし なし
なし なし なし なし
なし なし
兄弟
それぞれの場合の
相続の割合は
以下のとおりです↓
相続の割合 配偶者
(1/2)

(2/3)
-
(4/3)
- -
第1順位
(1/2)
-
(全部)
- - -
第2順位 ×
(1/3)
× -
(全部)
-
兄弟 第3順位 × × ×
(1/4)
×
(全部)
ごらんの通り、基本的に配偶者(夫・妻)がいる場合には誰よりも優先的に相続できる権利があるのに対して、兄弟が相続できる順位と割合はきわめて限られております。

たとえば、
総額1000万円の遺産を配偶者と子供が相続する場合
(遺言書のないケース)
故    人
Г 長男(1/2×1/2)250万円
|
配偶者(1/2)500万円 次男(1/2×1/2)250万円
※配偶者は総額の2分の1 ※子供は1/2×(人数割り)

ただし、被相続人は遺言書などで残された家族への相続分を自由に決める権利があり、必ずしもこれに従わねばならない訳ではありません。

様々な事情により、他の身内より多く相続させたい遺族や、またその逆の場合など事情に応じて相続割合を決めることができます。この場合、遺族は遺言書の内容を最優先して従う義務があります。

相続は
いつから始める?

 相続は被相続人が亡くなったときから開始します。

 あたりまえのようですが、つまり、存命中の相続はあり得ないと言い換えられます(存命中なら「贈与」ということになります。)。

相続の主な流れは以下の表のとおりです。
相続手続きのながれ
被相続人の死亡から一〇ヶ月以内 被相続人の死亡から4ヶ月以内 被相続人の死亡から3ヶ月以内 被相続人
の死亡
相続手続きのスタート
死亡届
の提出
7日以内に届け出る義務があります。
葬 儀 相続税が発生する場合は葬儀費用は控除できます
遺言書
の有無
の確認
遺言書がある場合家庭裁判所の検認を受けること
相続財産
や負債
の確認
債務のある場合は相続の放棄限定承認などの手続きが出来ます。
相続関係者
の確認
被相続人・相続人すべての戸籍謄本を取寄せます。
被相続人の
準確定申告
相続人が亡くなる日までの所得を申告します。
相続財産や
負債の評価
財産目録の作成
全ての相続財産をチェックリスト化して、その評価(価格)をまとめる。
遺産の分割協議 財産目録をもとに、被相続人の財産をどのように分けるかを相続人全員で話し合う。
遺産分割協議書の作成 話し合いの結果を文章化し、相続人全員の実印を押す。
相続税の申告
名義変更など 預貯金や有価証券、不動産など被相続人名義であった財産を、分割協議書をもとに新たな相続人名義に書き換える。

相続
したくないとき

「相続放棄」と「限定承認」のふたつがあります。

 被相続人の財産を相続人が相続したくないとき手続きとして、「相続放棄」「限定承認」がありますが、最も多い事例は負債などのマイナスの相続がプラスの相続より多いときなどによく行われます。

 ただし、本来なにも申し出なければ被相続人の財産は自動的に相続の順位が上位の人から順番に相続することになっておりますので(単純承認)、相続をしたくないときは相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出ねばなりません。

相続
させたくないとき
 
遺言書でその意思を表示する方法
「推定相続人の廃除」を申し立てる方法
 
 被相続人が自分の財産をある特定の相続人にだけ相続させたくないときの手段として有効なものは、遺言書への記載が最も一般的ですが、この場合でも、相続人には遺留分という権利が主張できますので、全くゼロというわけにはまいりません。
 
 そこで、もうひとつ別の方法として「推定相続人の廃除」という方法があります。
 これは、被相続人に対して生前から著しい虐待や侮辱または非行の事実がある人物(配偶者・子・親に限る)の相続人としての資格を、家庭裁判所の調停や審判を経て相続人から排除するというものです。
 
 推定相続人の廃除は、相続人が生前に家庭裁判所に申し立てる方法の他に、相続人の死後、遺言執行者が家庭裁判所に申し立てる方法があります。
 いずれにせよ、調停や審判をするわけですから、それなりの労力もかかりますし、曖昧な事実では排除が認められない場合もありますから、申し立てる際には証拠を準備をしておきましょう。
 
この場合、排除された本人は遺留分を請求する権利も失いますが、その子や孫が代襲相続することが出来ます。

相続できる財産
不動産  
相続するためには名義変更が必要です。
 
 不動産の名義変更のおおむねの流れ
 @ 相続する不動産をリスト化し、法務局で現在の名義等を確認する
 A リスト化した不動産の評価額を、市役所の税務窓口で調べる
 B 相続人全員で遺産の分割方法を協議する。
 C 協議した内容を遺産分割協議書として文書化する。
 D 遺産分割協議書を添えて、法務局で登記申請をする。

 ご承知のとおり、土地や家屋などの不動産は相続の対象となり、相続する際には下の表のように金額に換算して評価を出します。実際の土地や家屋の値段は表のようにお役所が定めた金額を基準としますので、不動産屋さんなどで売り出されている価格と比べると意外に安く感じられるかも知れません。
評 価 の 注 意 点
宅 地 税務署で教えてくれる「路線価」または固定資産税にかける「倍率」で評価をします。
家 屋 その家屋の固定資産税評価額を基準にします。
借地権 税務署で教えてくれる「借地権割合」を調べます。
借家権 税務署で教えてくれる「借家権割合」を調べます。
その他 農地、山林、雑種地など様々な土地が相続の対象となりますが、地目により評価の算出方法はそれぞれ異なります。

法務局の手続きには様々な書類が必要になります

・おもに必用な書類は以下の通りです:
 ○相続人自身が書くもの
 所有権移転登記申請書
 遺産分割協議書(相続人がひとりきりの時は遺産分割協議書はいりません。)
 
 ○市役所の窓口等でそろえられるもの
 戸籍謄本、住民票、被相続人の除籍謄本
 固定資産税の課税台帳の写し、印鑑証明書
 

・代行を依頼する場合はお近くの司法書士さんが便利です。
株式など
株券の種類によって評価方法が違います

評 価 の 注 意 点
上場している
株式
被相続人が亡くなった日、またはその月から遡って前々月ま
での各月の平均株価のうち最も安い価格で評価します。
上場していない
株式
発行元の会社の純資産価格を株券の口数で計算する方式や、
同規模程度の上場会社(標本会社)との比準により株価を
計算する方法などがあります。
株式を保有するに至ったいきさつなどで扱い方が変わって
きますので、税理士などの専門的なアドバイスを要します。
公社債 割引の債権と利付の債権などで評価方法がかわります。
●実際の相続するための手続き

・手続き先:発行元の会社

・必用な書類など
 名義書換えの請求書、株券(発行されていない場合は不要)、戸籍謄本、
 被相続人の除籍謄本 遺産分割協議書、印鑑証明書
 ※無記名の債券や証券には届出の必要がありません。
お金  
 言うまでも無く被相続人が蓄えたお金や債権はすべて相続の対象です。
忘れてはならないのは借金などの債務も相続されますから、その額が大きい場合は相続放棄限定承認の手続きをとる場合もあります。
相 続 の 方 法 な ど
現金 手持ちの現金ですから特に名義変更の手続きは必要ありません。
預貯金 郵便貯金の場合には郵便貯金法で定められた手続きの方法に
法りますが、銀行預金にはその根拠となる法令がありません。
とくに昨今の郵便局では家族間と言えども高額の入出金や名義の書き換えには細心の注意を払うように徹底されてきました。
それにあわせて概ね銀行も郵便貯金に倣ったかたちの方法を採用しているようです。
●おもに必用なもの
 銀行備付けの用紙、相続人の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本
 、通帳、相続人の印鑑証明
貸金債権 債権を引き継ぐ場合も債務者にその旨を通知し、場合によっては債務者との間で契約書の修正や確認証などをとった方が良いとされます。
 〃債務 債務を引き継ぐ場合には債権者に通知することになります。また、もしも放棄する場合には相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に届け出ねばなりません。
損害賠償請求権 相続人の戸籍謄本を添えて「訴訟受継の申立書」という書式を管轄の裁判所に提出します。
死亡退職金 死亡により退職となった場合には会社に死亡退職金を請求することができます。
事業
被相続人の事業を継承する時は、おもに以下のような届出が必要になります。
役員変更 法人格のある会社の場合、その事業を引き継ぐには、
株主総会議事録・取締役会議事録、就任承諾を証する書面、印鑑証明書を添えて法務局に変更登記を申請します。
各種営業権など 被相続人の持っていた各種の営業権や免許を引き継ぐには関係する役所に届出が必要となります。
参考までに、代表的なものにつきまして簡単に以下のような例をあげておきます。

酒類の販売:税務署に酒類販売業相続申告書を提出。
煙草の販売:日本たばこ産業を通じ財務局に届け出。
旅 館 業:各都道府県知事に事業承継承認の申請を提出。
食品営業 :       〃
風俗営業 :警察署を通じ公安委員会に相続承認申請書を提出。
運 送 業:運輸支局に相続による継続認可申立書を提出。

添付書類等はスペースの都合で割愛しましたが、概ね上記で述べた登記や各種名義変更と同じく戸籍簿や除籍簿など一通り必用となってます。
売掛金
買掛金
引き継ぐ場合には、新しく誰が債権を相続したのかを取引先に通知することになりますが、取引先ごとに定められた契約があればそれに従うことになります。
売掛金債権は相続人が確定してから6ヶ月間は時効にかかりません。
特許権
など
特許、実用新案、意匠、商標などの知的財産を引き継ぐ場合は特許庁に「移転登録申請」の書面を提出します。
ただし、著作権は本人専属ですから相続できません。
その他動産など
ほとんどの動産は届出の義務もなく、いわゆる「かたみ分け」のかたちで自由に相続されますが、例外的に名義の登録が必要になるものもあります。
自動車 まず警察署で相続人名義の車庫証明をとり、有効な車検証と戸籍・除籍謄本をそえて陸運事務所で移転の手続きを行います。
刀剣類 一般の書画や骨とう品に登録はありませんが、日本刀と火縄銃に関しては銃刀法の規制があります。
刀剣類と火縄銃(古式銃)を相続する場合は登録証に記載されている都道府県の教育委員会に所有者変更のはがきを出せば名義変更が可能です。
猟銃など 骨とう的要素のあるの刀剣類と異なり、現代の猟銃やライフル銃、空気銃など危険物の相続に関しては銃刀法できわめて厳正に取り扱われています。
基本的に所有者が死亡した時点で所持許可も失効することになり、遺族と言えども自動的に所有権を主張するわけにはいきません。
本人の死亡によって銃の所持許可が失効した場合、相続により銃を取得する場合は、失効の日から50日以内に
1、あらためて自分が所持の許可を受ける
2、銃を他人に譲渡する
3、廃棄する
のいずれかの措置を公安委員会に届け出ねばなりません。
50日以内に許可または譲渡または廃棄をしなかった場合は公安委員会から銃の提出を命じられます。

このように、銃そのものは動産ですが、それを所持する資格は本人専属のものですから、相続人が銃の所持を引き継ぐ場合にはあらためて銃刀類の講習会や検定など、様々な要件を満たす必要があります。
○遺言について ごく稀に「遺言」と「遺書」を混同する人がいらっしゃいますが、これは意味合いが少し違います。
法的な効果を持つ遺言書には定まった形式があり、それらの要件を満たしていないと全く効果がなくなってしまうということもありますのでどうか注意してください。
そして、この要件さえしっかり守られていれば遺言書の効力は故人の最後に残した意思表示として法律的な拘束力をもち、残された遺族は可能な限り遺言書の内容に従う義務があるということです。
・遺言する資格 遺言する資格(つまり遺言書を書いて有効とされる資格)にはいっさいの制限がありません。
年齢も性別もありませんし、成年被後見人等の登記がなされていても遺言書は有効と認められております。
民法では人間が死の直前に示した意思表示をきわめて大切なものと受け止めており、遺族は遺言書に書かれた文面を誠実に実行する義務をもっております。
・遺言書の種類 遺言書の種類には我々が一般によく使う「普通様式」と、ごく稀な緊急時のみに使われる「特別様式」の二つがあります。特別方式の遺言は「一般危急時遺言」意外はほとんど使うことはないと思われますが、参考資料程度に掲載させていただきました。
普通方式の遺言 自筆証書遺言 文字通り本人が自筆で残す遺言書のことです。最も手間と費用がかからず、手軽な方法ですが、その反面、最も問題点の多い遺言方式でもあります。この問題点の多くの原因は、(これは本当に盲点で、思い出すとハッとなるのですが)実際に遺言書がモノを言う段階時において、遺言を残した本人はもう存在しない(つまり見届けられない)ということです。それでは主な問題点を以下に書かせていただきます。
@、遺族が遺言書の存在に気づかない場合がある。
A、第三者に偽造や変造、捏造されることがある。
B、あとで遺言書の存在を発見しても黙殺(無視)されることがある。
C、書き方に不備があり、発見された遺言書を「遺言書」と認識してもらえない。

これらを防止するためにはとにかく正確な記述を心がけ、遺言書の存在を生前に知らしておくしかありませんが、あまり吹聴すると今度はAのような心配もありますから、注意が必要です。あらかじめ信頼のできる人物を遺言執行者として指名しておくのも良い方法です。
これらのの抑止力となっているのは民法891条で規定されている「相続欠格」というもので、相続人が故意に遺言書に対して不正な行為をはたらいた場合には相続人としての資格を失い遺留分すら請求できなくなります。
またその他に、相続人が家庭裁判所での検認を受ける前に遺族が勝手に遺言書を開封した場合には5万円以下の過料を払わねばならないというルールも定められております。。
公正証書遺言 公正証書遺言は、二人の証人に立ち会ってもらい、遺言者が口頭で遺言内容を公証人に伝え、それを公証人が公正証書として文章化する遺言方式です。
自筆証書の遺言は裁判所の検認を受けねばなりませんが、公正証書の場合には検認の手続きは必要ありません。

もしも遺言者に何らかの障害があり直接話が出来ないときは「口述」にかわる手話通訳や筆談も認められますが、この場合はその旨を公正証書にも付記することになっております。
通常、公正証書は公証人役場で行いますが、遺言者が病気で動けないときには主張も認められています。

公正証書遺言に立ち会ってもらえる証人にはルールが決められており、遺言者の死後に相続人になる人など利害のある人は証人になれません。
証人は出来上がった公正証書の内容を確認し、最後に遺言者とともに署名押印します。
秘密証書遺言 遺言の文面を信頼できる第三者に依頼して記述してもらい、最後に遺言者が確認のうえ自筆で署名押印し密封したものを、証人二人の立会いの下で公証人役場に提出し、日付や経緯が確定したものを秘密証書遺言と言います。
こちらは自筆証書と同じく裁判所の検認を受けねばなりませんが、自筆証書との違いは遺言者の自筆である必要はなく、またワープロなどの文字も認められるということです。
公正証書との違いは公証人や二人の証人が遺言の内容まで関与していないことです。
特別方式の遺言

こちらの方式は
やむを得ない稀な
ケースの場合のみ
認められる遺言で
例外的なものです。

なお、右のような
危急時が去ってから
遺言者が6ヶ月間
無事に生きていたら
その効力を失います


一般危急時 3人以上の立会人をつけて遺言者が口頭で遺言を伝え、それを一人の立会人が書き取って本人と他の立会人に読み聞かせて確認をとり、立会人がそれぞれ署名押印する遺言のかたちです。
これは病気などで差し迫った死の危険がある場合のみ認められる方式ですから元気に日常を営まれている人は対象になりません。
この方式の遺言は、遺言の日から20日以内に家庭裁判所に遺言の確認を申し立てないと無効になります。
難船危急時 遭難した船舶のなかで、死の危険が迫った人が、二人の立会人のもとで遺言の内容を口頭で伝える方式です。
この場合は遭難中の船の中ですから、その場で筆記し、署名押印する必要はなく、後日でよいとされています。
一般隔絶時 伝染病などで強制的に隔絶された人が警察官および一人以上の立会人のもとで作成する遺言の方式です。
船舶隔絶時 一般社会から隔絶した船の中で死の迫った人が、船長またな事務員一人および証人二人以上の立会いで作成する遺言の方式です。
・遺言書の効果 遺族は遺言書に記載された遺志を最大限に尊重せねばならないことは先にもふれましたが、中でも遺言書がその効果を期待できるのは以下にご紹介するような事例です。
財産処分 財産を相続人以外の第三者に贈ったり、寄付をしたりする行為。
ただし、他の相続人の遺留分を侵害してはならないと解釈されておりますが。
一概に無効とはならず、他の相続人から遺留分についての主張がない限り全額が有効な行為として認められております。。
相続人の廃除 生前に遺言者に対し虐待や侮辱を加えたり、著しい非行のあった親族を相続人から排除する旨を記載できます。
生前から訴えを起こす場合は遺言者のご本人が家庭裁判所に申し立てて調停や審判の決定により相続人を廃除する手続きがとれます。
また、遺言により、排除したい相続人を指定することもできます。この場合は、同じく遺言で指定された遺言執行者が遺言者に代わって家庭裁判所に申し立てることになります。
ただし、単純に「この人とは反りが合わないから」とか「何となく相続させたくない」などの安易な理由では相続人の廃除は認められません。ですから、相続人を廃除する場合は裁判所でしっかりと主張の通る事実を証拠として用意しておきましょう。
また、逆に生前に決定した相続人排除を、遺言によって取り消すことも可能です。
相続分・
分割方法の指定
法定の相続割合(上の「相続分早見表」参照のこと)に限らず、遺言書では自由に相続分の分割方法や割合を指定することができます。
また、「それぞれの相続割合については○○さんに委託する」と第三者に委託する旨を記載することもできます。
分割の禁止 5年以内の期間ですが、被相続人は遺言で遺産分割の禁止をさせることができます。
担保責任 相続するはずの財産に欠陥や不備があった場合、相続人の間でどのように補い合うかを決めておくことができます。
遺言執行者 遺言の内容通りの遺産分割が確実になされるように、あらかじめ遺言執行者を遺言で指定することができます。
減殺方法 第三者への贈与や寄付によって法定相続人の遺留分が侵害された場合に、これをどのように補うのか、その方法をあらかじめ遺言で決めておくことができます。
認知 今の家庭とは別に子供がいて、生前に認知出来ていなかった場合に、遺言によって認知することができます。これにより認知された子も相続の権利を持つことになります。
後見人 自分の死後、未成年の子が残される場合で、かつ、もう一方の親権者もすでに死別または離婚などにより存在していないときに、信頼のおける人を後見人として指定したり、また、その後見人を監督する監督人を指定することができます。
これだけはおさえておきたい
相続と遺言の基礎知識
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