| ○相続とは? | いまさら「相続とは」と云々するまでもなく、世間の常識として身内が亡くなればその家族が財産を引き継ぐというのは世間の常識と考えてよいでしょう。 その行為を法律的な言い回しにすると「相続」ということになりますが、「相続」という法律的な行為をするには一定の手続きや決まりごとがついてまわります。 例えば、皆さんご存知のように、相続する財産が大きいときには税金が課せられるという決まりごとも相続のルールですし、配偶者、子、親、兄弟などの関係によって一定の優先順位や相続できる割合の基準が定められているのもよくご存知のルールだと思います。 被相続人の財産を相続人が引き継ぐというごく当たり前の行為をするにしても、我が国では一定のルールに従う必用があり、そこに重大な不備があればその当然の権利を主張できなくなるという悲劇も現実にありますから、不安がある場合は専門家のアドバイスや公的な窓口等を利用して確実な手続きを踏むことが大切です。 大切なご家族の死という現実に直面して混乱しているなかで、「相続」というきわめてドライな手続きにすぐに気持ちが切り替わらないという方もいらっしゃいますが、そういう人の為に専門家がいるのだとお考え下さい。 「相続」の手続きを通してあらためて故人の生き方や残された家族への思いが伝わることもあります。故人がせっかく家族のために残してきた財産が、家族の持ち物にならないような悲劇がおこらぬよう、相続の手続きは確実に行ってくださいますようお願いします。 |
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| ・相続分早見表 | ● もっとも典型的な原則 「配偶者は常に相続人」 遺言書やその他特段の事情がない時は、家族関係による相続の順位と割合で、 配偶者は常に相続の権利があります。
たとえば、
ただし、被相続人は遺言書などで残された家族への相続分を自由に決める権利があり、必ずしもこれに従わねばならない訳ではありません。 様々な事情により、他の身内より多く相続させたい遺族や、またその逆の場合など事情に応じて相続割合を決めることができます。この場合、遺族は遺言書の内容を最優先して従う義務があります。 |
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| ・相続は いつから始める? |
相続は被相続人が亡くなったときから開始します。 あたりまえのようですが、つまり、存命中の相続はあり得ないと言い換えられます(存命中なら「贈与」ということになります。)。 相続の主な流れは以下の表のとおりです。
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| ・相続 したくないとき |
●「相続放棄」と「限定承認」のふたつがあります。 被相続人の財産を相続人が相続したくないとき手続きとして、「相続放棄」と「限定承認」がありますが、最も多い事例は負債などのマイナスの相続がプラスの相続より多いときなどによく行われます。 ただし、本来なにも申し出なければ被相続人の財産は自動的に相続の順位が上位の人から順番に相続することになっておりますので(単純承認)、相続をしたくないときは相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出ねばなりません。 |
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| ・相続 させたくないとき |
●遺言書でその意思を表示する方法 ●「推定相続人の廃除」を申し立てる方法 被相続人が自分の財産をある特定の相続人にだけ相続させたくないときの手段として有効なものは、遺言書への記載が最も一般的ですが、この場合でも、相続人には遺留分という権利が主張できますので、全くゼロというわけにはまいりません。 そこで、もうひとつ別の方法として「推定相続人の廃除」という方法があります。 これは、被相続人に対して生前から著しい虐待や侮辱または非行の事実がある人物(配偶者・子・親に限る)の相続人としての資格を、家庭裁判所の調停や審判を経て相続人から排除するというものです。 推定相続人の廃除は、相続人が生前に家庭裁判所に申し立てる方法の他に、相続人の死後、遺言執行者が家庭裁判所に申し立てる方法があります。 いずれにせよ、調停や審判をするわけですから、それなりの労力もかかりますし、曖昧な事実では排除が認められない場合もありますから、申し立てる際には証拠を準備をしておきましょう。 この場合、排除された本人は遺留分を請求する権利も失いますが、その子や孫が代襲相続することが出来ます。 |
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| ○相続できる財産 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ・不動産 | ●相続するためには名義変更が必要です。 不動産の名義変更のおおむねの流れ @ 相続する不動産をリスト化し、法務局で現在の名義等を確認する A リスト化した不動産の評価額を、市役所の税務窓口で調べる B 相続人全員で遺産の分割方法を協議する。 C 協議した内容を遺産分割協議書として文書化する。 D 遺産分割協議書を添えて、法務局で登記申請をする。 ご承知のとおり、土地や家屋などの不動産は相続の対象となり、相続する際には下の表のように金額に換算して評価を出します。実際の土地や家屋の値段は表のようにお役所が定めた金額を基準としますので、不動産屋さんなどで売り出されている価格と比べると意外に安く感じられるかも知れません。
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| ・株式など | ●株券の種類によって評価方法が違います
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| ・お金 | 言うまでも無く被相続人が蓄えたお金や債権はすべて相続の対象です。 忘れてはならないのは借金などの債務も相続されますから、その額が大きい場合は相続放棄や限定承認の手続きをとる場合もあります。
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| ・事業 | 被相続人の事業を継承する時は、おもに以下のような届出が必要になります。
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| ・その他動産など | ほとんどの動産は届出の義務もなく、いわゆる「かたみ分け」のかたちで自由に相続されますが、例外的に名義の登録が必要になるものもあります。
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| ○遺言について | ごく稀に「遺言」と「遺書」を混同する人がいらっしゃいますが、これは意味合いが少し違います。 法的な効果を持つ遺言書には定まった形式があり、それらの要件を満たしていないと全く効果がなくなってしまうということもありますのでどうか注意してください。 そして、この要件さえしっかり守られていれば遺言書の効力は故人の最後に残した意思表示として法律的な拘束力をもち、残された遺族は可能な限り遺言書の内容に従う義務があるということです。 |
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| ・遺言する資格 | 遺言する資格(つまり遺言書を書いて有効とされる資格)にはいっさいの制限がありません。 年齢も性別もありませんし、成年被後見人等の登記がなされていても遺言書は有効と認められております。 民法では人間が死の直前に示した意思表示をきわめて大切なものと受け止めており、遺族は遺言書に書かれた文面を誠実に実行する義務をもっております。 |
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| ・遺言書の種類 | 遺言書の種類には我々が一般によく使う「普通様式」と、ごく稀な緊急時のみに使われる「特別様式」の二つがあります。特別方式の遺言は「一般危急時遺言」意外はほとんど使うことはないと思われますが、参考資料程度に掲載させていただきました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 普通方式の遺言 | 自筆証書遺言 | 文字通り本人が自筆で残す遺言書のことです。最も手間と費用がかからず、手軽な方法ですが、その反面、最も問題点の多い遺言方式でもあります。この問題点の多くの原因は、(これは本当に盲点で、思い出すとハッとなるのですが)実際に遺言書がモノを言う段階時において、遺言を残した本人はもう存在しない(つまり見届けられない)ということです。それでは主な問題点を以下に書かせていただきます。 @、遺族が遺言書の存在に気づかない場合がある。 A、第三者に偽造や変造、捏造されることがある。 B、あとで遺言書の存在を発見しても黙殺(無視)されることがある。 C、書き方に不備があり、発見された遺言書を「遺言書」と認識してもらえない。 これらを防止するためにはとにかく正確な記述を心がけ、遺言書の存在を生前に知らしておくしかありませんが、あまり吹聴すると今度はAのような心配もありますから、注意が必要です。あらかじめ信頼のできる人物を遺言執行者として指名しておくのも良い方法です。 これらのの抑止力となっているのは民法891条で規定されている「相続欠格」というもので、相続人が故意に遺言書に対して不正な行為をはたらいた場合には相続人としての資格を失い遺留分すら請求できなくなります。 またその他に、相続人が家庭裁判所での検認を受ける前に遺族が勝手に遺言書を開封した場合には5万円以下の過料を払わねばならないというルールも定められております。。 |
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| 公正証書遺言 | 公正証書遺言は、二人の証人に立ち会ってもらい、遺言者が口頭で遺言内容を公証人に伝え、それを公証人が公正証書として文章化する遺言方式です。 自筆証書の遺言は裁判所の検認を受けねばなりませんが、公正証書の場合には検認の手続きは必要ありません。 もしも遺言者に何らかの障害があり直接話が出来ないときは「口述」にかわる手話通訳や筆談も認められますが、この場合はその旨を公正証書にも付記することになっております。 通常、公正証書は公証人役場で行いますが、遺言者が病気で動けないときには主張も認められています。 公正証書遺言に立ち会ってもらえる証人にはルールが決められており、遺言者の死後に相続人になる人など利害のある人は証人になれません。 証人は出来上がった公正証書の内容を確認し、最後に遺言者とともに署名押印します。 |
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| 秘密証書遺言 | 遺言の文面を信頼できる第三者に依頼して記述してもらい、最後に遺言者が確認のうえ自筆で署名押印し密封したものを、証人二人の立会いの下で公証人役場に提出し、日付や経緯が確定したものを秘密証書遺言と言います。 こちらは自筆証書と同じく裁判所の検認を受けねばなりませんが、自筆証書との違いは遺言者の自筆である必要はなく、またワープロなどの文字も認められるということです。 公正証書との違いは公証人や二人の証人が遺言の内容まで関与していないことです。 |
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| 特別方式の遺言 こちらの方式は やむを得ない稀な ケースの場合のみ 認められる遺言で 例外的なものです。 なお、右のような 危急時が去ってから 遺言者が6ヶ月間 無事に生きていたら その効力を失います |
一般危急時 | 3人以上の立会人をつけて遺言者が口頭で遺言を伝え、それを一人の立会人が書き取って本人と他の立会人に読み聞かせて確認をとり、立会人がそれぞれ署名押印する遺言のかたちです。 これは病気などで差し迫った死の危険がある場合のみ認められる方式ですから元気に日常を営まれている人は対象になりません。 この方式の遺言は、遺言の日から20日以内に家庭裁判所に遺言の確認を申し立てないと無効になります。 |
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| 難船危急時 | 遭難した船舶のなかで、死の危険が迫った人が、二人の立会人のもとで遺言の内容を口頭で伝える方式です。 この場合は遭難中の船の中ですから、その場で筆記し、署名押印する必要はなく、後日でよいとされています。 |
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| 一般隔絶時 | 伝染病などで強制的に隔絶された人が警察官および一人以上の立会人のもとで作成する遺言の方式です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 船舶隔絶時 | 一般社会から隔絶した船の中で死の迫った人が、船長またな事務員一人および証人二人以上の立会いで作成する遺言の方式です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ・遺言書の効果 | 遺族は遺言書に記載された遺志を最大限に尊重せねばならないことは先にもふれましたが、中でも遺言書がその効果を期待できるのは以下にご紹介するような事例です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 財産処分 | 財産を相続人以外の第三者に贈ったり、寄付をしたりする行為。 ただし、他の相続人の遺留分を侵害してはならないと解釈されておりますが。 一概に無効とはならず、他の相続人から遺留分についての主張がない限り全額が有効な行為として認められております。。 |
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| 相続人の廃除 | 生前に遺言者に対し虐待や侮辱を加えたり、著しい非行のあった親族を相続人から排除する旨を記載できます。 生前から訴えを起こす場合は遺言者のご本人が家庭裁判所に申し立てて調停や審判の決定により相続人を廃除する手続きがとれます。 また、遺言により、排除したい相続人を指定することもできます。この場合は、同じく遺言で指定された遺言執行者が遺言者に代わって家庭裁判所に申し立てることになります。 ただし、単純に「この人とは反りが合わないから」とか「何となく相続させたくない」などの安易な理由では相続人の廃除は認められません。ですから、相続人を廃除する場合は裁判所でしっかりと主張の通る事実を証拠として用意しておきましょう。 また、逆に生前に決定した相続人排除を、遺言によって取り消すことも可能です。 |
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| 相続分・ 分割方法の指定 |
法定の相続割合(上の「相続分早見表」参照のこと)に限らず、遺言書では自由に相続分の分割方法や割合を指定することができます。 また、「それぞれの相続割合については○○さんに委託する」と第三者に委託する旨を記載することもできます。 |
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| 分割の禁止 | 5年以内の期間ですが、被相続人は遺言で遺産分割の禁止をさせることができます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 担保責任 | 相続するはずの財産に欠陥や不備があった場合、相続人の間でどのように補い合うかを決めておくことができます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 遺言執行者 | 遺言の内容通りの遺産分割が確実になされるように、あらかじめ遺言執行者を遺言で指定することができます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 減殺方法 | 第三者への贈与や寄付によって法定相続人の遺留分が侵害された場合に、これをどのように補うのか、その方法をあらかじめ遺言で決めておくことができます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 認知 | 今の家庭とは別に子供がいて、生前に認知出来ていなかった場合に、遺言によって認知することができます。これにより認知された子も相続の権利を持つことになります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 後見人 | 自分の死後、未成年の子が残される場合で、かつ、もう一方の親権者もすでに死別または離婚などにより存在していないときに、信頼のおける人を後見人として指定したり、また、その後見人を監督する監督人を指定することができます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| これだけはおさえておきたい 相続と遺言の基礎知識 |
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