離婚協議書 慰謝料、財産分与、養育費、親権その他離婚に関わるすべての条件について二人で話し合った結果、取り決めたことを書き表した書面。
同じものを2通作成して夫と妻がそれぞれ保管する。言わば離婚の契約書のようなもの。
さらにこの協議書を法的にゆるぎないものにする場合は公正証書にすることがのぞまれます。
公正証書 「公証人」と呼ばれる有資格者が作成し、確定日付を入れた書類のこと。
通常の書類との大きな違いは、公正証書に書かれた文面は裁判所で決まった判決と同じくらいの法的な拘束力あるということ。
つまり、公正証書に「○月○日までに○○万円を支払います」と書いたにも関わらずその約束を破った場合は、裁判の手続きを経ることなく差し押さえなど強制的な手段で約束を実行させることが出来ます。
調停制度とは 日本では「調停前置主義」と言いまして、基本的に裁判所に申し立てをする場合には、まず調停から始まります。
調停とは、申立人と相手方(
この場合は離婚する当事者どうし)それぞれの言い分を、家庭裁判所の中にある非公開の個室(調停室)で、家庭問題に詳しい知識と経験をもつ調停委員が聞き取り、双方の意見の食い違いやどうしても主張したい事などを客観的に整理して、お互いが納得できる妥協点の提案や意見のすり合わせなどをしてくれる制度です。
具体的な調停の流れ
調停では、当事者の申し出や必要に応じて、同じ部屋で夫婦同時に事情を聞き取る場合と、夫婦別々に部屋に呼ばれて事情を聞き取る場合があります。
第1回目の調停では当事者夫婦・調停委員・裁判官の3組が同室で顔を合わせ、裁判所からの調停についてのあらましの説明と、当事者夫婦からの事件についての状況説明などを行い、その後のやりとりは夫婦のうち相手方が意見を述べている間はもう一方が別室で待機するというやりかたで進められます。
ほとんどの場合、一回の調停で夫婦が合意に達するということはまず無く、たいがい複数回の調停を経て合意に至ります。
調停委員さんも最初からその段取りで時間配分を決めております。
(余談ですが・・・)
調停室で意見を述べる時間配分はほぼ同じように配慮されているはずなのですが、なぜか皆さん口を揃えて「私の時だけ時間が短い気がする!」とおっしゃいます。

弁護士は?
調停でも弁護士などの代理人を立てる事はありますが、調停は「本人出頭主義」といって、当事者自身が意見を述べることになってますから、申し立てたあとは弁護士など代理人に任せっぱなしにするという訳にはいきません。一般では費用の問題もあり、弁護士を立てずに本人どうしで調停を進めることの方が多いようです。

調停のメリット
調停によって出た結論にお互いが納得した場合は正式な裁判での判決と同じ効力がありますので、調停で決まった離婚の条件(
親権・養育費・慰謝料)などについて、どちらかが約束を破った場合には法的な強制力を持つことができます。

調停のデメリット
残念ながら調停は平均して月に一度くらいのペースでしか進みませんので、あまり長引くと精神的な疲労をきたします。詳しくは下の「調停に向かないケース」にもふれております。

調停に納得できないときは?
双方の合意が見出せず調停が不成立となった場合は審判または訴訟へと移行するか、最悪の場合は未解決のままといった場合もあります。
調停委員 調停委員とは、裁判所から委託を受けた専門の有識者で、離婚などの場合には基本的には男女一組の調停委員が事件解決まで専属で担当にあたります。
調停委員は裁判官ではありませんので、参考的な意見や提案を出すことはありますが、裁判官のように一方的に結論(判決)を言い渡すことはありません。調停によって導き出される結論は、あくまで双方の合意に基づくものですから、調停委員は中立の立場をとることになっています。



調停に向かないケース 調停は“お互いの納得できる妥協点”を見出す制度ですから、双方ともにある程度の相手に対する妥協の気持ちが無ければ調停が進みません。
つまり、お互いが最初から100パーセント自分の主張だけを通したいと思っている場合には、全く解決の目処が立たず、不毛に長引くのが調停の現実です。


審判離婚の要件 調停に代わる審判は、調停の話し合いが最終段階の一歩手前まで進んでいる場合において、以下のようなケースが当てはまるときに家庭裁判所の判断により非公開で行われます。
・ある程度、双方がおおまかな合意をしているが、小さな食い違いが残っている場合。
・夫婦どちらかが調停の期日に出頭出来ず、調停が成立しなかったが、事実関係から推測して当然に導き出されるある一定の結論が当事者にとって都合が良いと思われる場合。

審判に不服がある場合 審判の内容に対して不満がある場合には、2週間以内に家庭裁判所に異議の申し立てをすれば、その効力を失います。


離婚の裁判について 平成16年度より、離婚を扱う裁判所が地方裁判所から家庭裁判所に変わりました。
それにともなって、
@当事者や関係者の重大なプライバシーについて、裁判官の全員一致により尋問を非公開にできることになりました。ただし、特に非公開とする理由がない場合は裁判の原則どおり公開されることになります。
A家庭裁判所では子供の親権の問題や、夫婦の財産の振り分けについて、家庭裁判所の調査官が事実調査できることになりました。
不貞行為とは 「不貞行為」とはつまり「浮気」という事でがすが、お気づきのように「浮気」と言っても人によって程度が異なります。
裁判所が「不貞」と認めるほどの浮気というと、やはり判例では(平たく言えば)セックスの関係があったかどうかが一定の判断基準になります。
ただし、セックスの関係があったと言えど強姦など意思に反する状況でのセックスなどは不貞行為とは言えませんし、その他それぞれ状況やケースによって程度は様々です。
悪意の遺棄とは 遺棄とは「ほったらかし」ということです。
夫婦は民法のなかで「お互いに同居して助け合いましょう」と規定されていますから、同居せず助け合わない夫婦は法律上では夫婦の条件を満たしてないということになります。つまり、この状態を「遺棄」と言うのですが、現代の社会では様々な夫婦の関係があり、単身赴任など心ならずも別居を余儀なくされる場合も少なからずあります。
ここで重要となるのが「悪意で」という言葉で、この場合の「悪意」とは相手の了解を得ず、相手に迷惑が及ぶことが判った上で自分勝手に一方的な「遺棄(ほったらかし)」をするということです。
生死が明らかでないとは 生きているのか死んでいるのかどちらも証明ができない状態のことです。
この場合のみ(話し合う相手がいないのですから)調停の段階を飛ばして裁判を申し立てる事ができます。
また、生死不明になった原因は問わないことになっております(今のところ)。
いつから3年と数えるかの基準となる日は、最後に連絡の付いた日からとなっております。
もしも仮に、離婚の判決が決まった後から本人が生きている事がわかっても判決の効力はなくなりません。
ただしその後の再婚は自由意志です。
回復の見込みがない
強度の精神病とは
どんな病気であれ、基本的に夫婦は互いに助け合うものですから、一方が病気になれば相手は介抱する義務があり、共に病気と闘ってゆくのが夫婦のあり方です。
ただし、「回復の見込みの無い強度の精神病」に限り、民法では結婚生活を続ける事ができない離婚の原因として認めております。
どれくらいのレベルが「強度」となり得て「回復の見込み」がないとされるのかは、専門医の鑑定を前提として裁判所が決めることになります。
ただしこれでは病気にかかった一方に対して法律はあまりに冷酷すぎます。
病気を患ったうえにパートナーからも見捨てられたとあっては全く救いの手が無くなってしまいます。
そこで、今のところの最高裁判所の考え方としては、
「単純に夫婦の一方が重い精神病にかかったとしてもそれを理由にしてさっさと離婚ができる訳ではなく、事情をよく考えてこれからの療養生活や経済的な事などについて出来る限りの具体的な手をうち、一定のめどが立たないうちは離婚を訴えるべきではない」
としております。
「その他」って・・・ 「その他」と言われると何でもありのように聞こえますが、基本的な常識を考えてこのまま結婚生活を続けることがひど過ぎると言わねばならない程に夫婦関係が破壊されている場合とされています。
どれくらいの状態がそう言えるのかは裁判官の判断となり、それには過去の裁判の例も参考にされますが、時代によって状況も徐々に変化します。
今まで認められてきた例としては以下のようなものがそれにあたります。
・配偶者からの激しい暴力や虐待(いわゆるドメスティックバイオレンス)
・配偶者の両親からの虐待・侮辱・暴力
・配偶者からの一方的な性的異常行為
・配偶者からの性交渉の拒否(いわゆる セックスレス )
・配偶者の極度に逸脱した目に余る(度を越したメチャメチャな)生活態度
・配偶者が重大な犯罪行為を犯したとき
・修復が不可能で極端な性格の不一致
 ・その他もろもろ・
判断が微妙なもの
・配偶者の一方が大きな借金を抱えた場合
(一時的な家計の落ち込みはどのような夫婦でも遭遇することで、本来そのようなときに助け合うのが夫婦だから、借金だけを理由には出来ない)
・配偶者以外の相手を好きになったから(または配偶者が嫌いになったから)

(考え方は専門家によっていろいろあり、その状況によります)
慰謝料 慰謝料は、離婚をすることについて、相手側から精神的な著しい損害を被った場合の他にも、その原因となった第三者(浮気相手や相手の両親など)に対しても請求する権利があります。
このように、相手方に著しい責任がある場合に請求する権利があるのが慰謝料であって、必ずしも離婚イコール慰謝料が発生するというものではありません。
「戸籍にバツイチが残ったことが精神的苦痛」という程度ではちょっと見込みがありません。

受理申出 不受理申出で受理を拒否することが出来る届出は、離婚届けのほか、婚姻届、養子縁組届、養子離縁届があります。
不受理の期間は最大6ヶ月の間で事由に決めることが出来ます。
しかし、もしも途中で気が変わったときは取下書という用紙を提出すれば不受理申出を取り下げることが出来ます。
もしも6ヶ月め以降も引き続き不受理のままで継続したいときは改めて不受理届けを再提出できます。
しかし考えてみればこうして何度も不受理届と離婚届をお互いが出し合う関係が何年も続いたとしたら、それ自体が結婚生活を継続できない離婚の理由としてじゅうぶん裁判で離婚が成立してしまいそうです。

裁判所の保全命令 裁判所で話し合われている対象の品物や土地が、裁判の決着が付く前に勝手に壊されたり無くされたり売り払われたりしては、何のために裁判しているのかわからなくなります。
そのため、裁判が終わるまではその対象物を勝手に処分されないように裁判所が押さえてしまうために出す命令を保全命令といいます。

養育費や財産分与に税金がかかる場合 ○もともと節税対策などのために資産を分割する目的で離婚をしたような場合
○一見して、慰謝料や養育費その他において財産分与の割合がその実態や平均的な相場よりもいちじるしく多い場合
○かなり遠い将来分にまでわたって養育費の名目で一括して高額(何百万円単位)の支払いがされた場合。

税務署は我々一般人が“身の丈にあわない”お金や土地を一度に手に入れたときは一目散に取り上げにくるのですね・・・

裁判所が親権者を選ぶ基準 親権者を決めるポイントは、父母のどちらのほうが子どもの利益に適しているかということに尽きます。
主な判断基準は精神面・経済面・教育面・居住面・愛情面などで、これらを総合的にみて判断されます。
ただし、経済面についてはほとんどの一般家庭では最初から父親に有利にはたらきますが、父親が養育費を負担することで母親の経済的負担も軽減されますから、工夫次第で解決できる問題とされています。
一般的な判例では総合的にみて親権者は母親監護するほうが子どものために良いといわれています。
とくに、虐待やネグレクトなどの特殊な事情がない限り、子どもの年齢が幼いうちは父親よりも母親の愛情の方が子どもにとって有益だというのが裁判所の基本的な考え方のようです。
実際に日本では母親が親権者となっている割合は約90パーセントに及びます。

親権問題の主人公は誰? 親権は、あくまで親の都合ではなく、子どもの利益を優先して考えられます。
親権者を決める場合もそうですが、親権者を変更する場合も同じで、尚且つ途中で親権者を変更することで予想される生活環境の変化まで考慮して考えられます。
実情を見ると、父の親権が母に移った割合が約50パーセント。その逆に父に親権が移った割合が約30パーセント。あとの20パーセントは「変更なし」でした。
この場合でもやはり「母は強し」のようですね。
看護者について 看護者は必ず決めねばならないものではありませんので、離婚届に記載する必要はありません。
また、血の通った父母である必要もなく、養父母や孤児院・児童福祉施設などといった第三者や団体が持っても良いとされています。

あと少しだけ詳しい注釈などなど


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